七夕や 日本中が デバガメか

 ひとの恋路を 覗いて居るぞ




戯れば お天道様も 雲の中

 嬉し恥ずかし お年頃かな




酔拳が あるのであれば 酔詠も

在っても良きや のうご同輩




雲の神 織姫どのが 泣きおるぞ

早く彦星 出してやれぬか




鳥の声 雨に消されて 里の朝

今宵の逢瀬 叶わぬ花よ




心地よき 風に包まる 丘の上

小鳥も歌う 安らぎの在り




カラスまで ノンビリ鳴くや 里の山

  忙しき巷 忘れし世界




今の世は ただ忙しなき 時代ぞや

心のゆとり 死語と成りしか




奥山を 一つの歌に 詠わんと

捻るや首を 笑うや鳥ら




戯れば 夏の最中に 雪の降る

雨は下から 噴き上がるかな




母校とは 懐かしものと ひとの言う

成績思や 恥ずかしものよ




月さえも 微かに覗く 曇り空

伝説の恋 ベールの陰で




星空を 見あげて恋うた 彼のひとよ

   今は昔の 儚き夢か




月の野に 虫らの宴 その恋に

酔いたる君も 星と成りしか




老いぼれて 恋の昔を 振り返りゃ

やはりこの我 朴念仁よ




コオロギよ 我の机にゃ 彼のひとは

居りはせぬぞよ 草むら帰れ




伝説の 恋も密やか 雨の空




伝説の 恋から一夜 明けて尚

梅雨の雨やら 時化の雨やら




若者よ 逢瀬に降れる 雨の音

二人で聴くは 乙なものぞや








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