84

焦がれるは 散りし紅葉の 温もりよ
何処に消ゆや 頬染めしまま


雨毎に 温もり剥がれ 凍えゆく
言の葉無くば 枝も哀れと


去る君に 言の葉無くば 夜の雨
未練流せと 想いに降るや


恋散らせ 紅葉も散らせ 木枯らしよ
春にゃ畳も 新しなるぞ


一風に 一風邪貰う 季節かな


木枯らしの 暴れて野良は 冬支度


木枯らしに 隠れて燃える 恋のあり
明日を知らずば 狂えるほどに 


あばら家に 我を閉じ込め 木枯らしは
君への想い 奪いて吹くや


木枯らしに さも儚げや 二日月


逢瀬夜は 騒ぐ木枯らし 我が鼓動


想いまで 凍えやせぬか 三日月夜


温もりを 抱きて眺む 三日月の
小舟に乗せん 二人の夢や



君待てば 凍えて哀れ 三日月は


三日月よ 凍える我も 君の居ず 


想うとて 儚きものよ 凍え空
三日月哀れ 君の哀しや


一人夜は 三日月舟に 文乗せて
君に届けん この恋心


風蘭に 君と見上げた 三日月も
今は一人で 凍える空に 


戯れば 三日月呆れ 早寝とか
時を忘れて ゴリラの騒ぎ


人間の 営み聞こゆ 山上に
浮生捨てよと 星の呟き


捨てんとて さだめ柵 絡み付き
群れに溺るる も一人の我





inserted by FC2 system