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木枯らしの 吼え声聞くや 床の中


空蝉に 騒ぐ木枯らし 恋覚まし


ヒューヒューと 想い急かせて 木枯らしは


風車たち 回れ回れや 木枯らしぞ
今稼がなきゃ 正月来ぬぞ


木枯らしよ かほどに暴れ 疲れたろ
ちょいと休んで 酒を酌まぬか


紅葉らの 想いに散れる その風情
雨に散るなら 言葉も無きや


落ち葉らの 彩り楽し 山の道


君去れば 恋うる想いの 闇に冷え


去る君よ 散れる紅葉よ 切なきよ


温もりを 奪いて紅葉 恋と散り



あき過ぎて 君無き枝の 淋しさや
凍えて待つは 鶯の春


君去れば 星無き闇の 想い道
あの温もりが 木枯らし連れて
 

木枯らしに 紅葉と散りし 我が恋は


逢瀬には 程よきものや 星月夜
そぞろ歩きに 紅葉を連れて


鹿の如 我も呼びたや 恋うる君
優し笑顔で 星連れ来ぬか


木枯らしも 疲れて眠る この夜は
鹿の恋歌 窓辺に聞くや


裏山に 宝石並ぶ 星月夜


愛でんとて 散りし紅葉に 枝寒や


温もりが 攫われ行くや 冬の雨


遣る瀬なや 雨の降る夜に 凍えるは
葉無き小枝か 君無き我か






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