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月無くも しじまに凪ぐや 星の海
小舟浮かべて 君と語ろか


悠久を 秘めてしじまの 星の海


君の名が 過去に誘う 星月夜


若き日の 夢が眠るや 星の海


君の星 見上げて遠き 夢の日々


山上に 寝転び眺め 星の海 


贅沢や 田舎の空は 星尽くし


過ぎし日を 君の語るや 星の海


静けさや 紅葉浮かべて 星の海


柵を 捨てて二人は 星の海
揺れる小舟は 恋も酔わせて


叶うなら 君を抱かん 星の海
時の流れに 溺れ逝くとも


静か夜は 昔の日々に 沈み行き
囁く星も 哀しと零れ


見上げれば 雲の海かや 星見えず


葉を取られ 畑に凍えし 大根ら


鹿の子が またびに集う 冬景色


星も無く 鹿らも呼ばぬ 山の夜は
想いの凍え 虚しきばかり


木枯らして 侘し風情に 星は透け


木枯らしに 想い切なき 夜の更け


木枯らしを 逃れて紅葉 雨に散り


木枯らしは 恋うる想いを 攫い吹き








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