峰々を 月の照らせば 幽玄に

  棚引く雲も 趣添えて




嬉しきや 月の低さよ 花も在り

 時折鳥も 鳴いてくれるぞ




月影の 小枝に鳴くや ホトトギス

 そなたも月の 良さが分かるか




虫の鳴く 野辺に吹く風 心地良く

  雲間に一つ 星も風情や




夜景色を 訪ねし我を 迎うるは

  囁き草と 数多の星よ




夜の山 街人知らぬ 贅沢よ

  心の糧も 溢れん程に




昼間から もぐらチョロチョロ するなれば

揺れる(地震)か水(洪水)か どっちだっけか




目覚めよと 蝉がこじ開け 里の朝




セッカだけ 今日も騒ぎし この暑さ

小さきあの身の どこに元気が





この暑さ ダラダラだらけ 陰で寝りゃ

  蝉らの声は 子守歌ぞや




涼風に ふと目覚めれば 時鳥が

午睡の終わり 告げて鳴くかや




兵たちよ 今宵のテキは 手強いぞ

  装備万端 手抜かり無いか




今人は 海山遠く 成りにけり




愛詠や 猫も杓子も 踊るとか




袋だけ 大切にして 中身捨て




神様も 値打ちは無けり 平和世は




狂う世は 人の自惚れ どこまでも

  世界は近く 海山遠く




老いの目に 夏の陽射しの 強すぎて

  乙女の肌は 眩しきばかり




七赤は 南の恋に 酔い痴れて

 飾るその身を 何処に流す




夕焼けは 恋うる乙女の 胸の内

 紅染む想い 静かに燃やし








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