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言の葉も 枯れ落つしじま 秋深し


目に甘く 耳に優しや 里の秋 


しじま夜は 去る木の葉らの 暇(いとま)声
月明かり連れ 窓に届くや


寡黙かな しじまの夜よ 冬近し 


木立闇 言の葉舞いて 秋深し


恋うひとの 言の葉散れば 秋も去り


一人夜は 我を誘いて 天の川


恋うるとて 其は遠き哉 天の川


言の葉を 散らせる君の 後ろ影
月の明かりも 凍えて沈み


想うとて 秋を誘うか 小夜嵐
紅葉涙の ミキとの別れ
秋→飽き   ミキ→キミ
紅葉→べには→口紅の意とモミジの意



その笑みへ 送る言の葉 探せども
去り逝く秋は 口寒きかな


恋愛や ああ恋愛や 恋愛や
似ても妬いても 喰えぬものかや


移ろいは モミジと我の 侘び立ちよ
言の葉一つ 纏いもできず


恋う夜は 囁く風も 愛おしく
星の明かりに 影ぞ探さん


愛おしの 君を思えば この夜は
紅葉の月に 笑顔の浮かび


しじま夜に 君を偲べば 十日月
想いは尚も 膨らむ明日


鈴虫も 疲れて休む この夜よ
エンマひとりが 未だに騒ぐ


夜もすがら エンマの宴 我誘う
その気に成れば 盃妬くや


虫々の 宴寂しき この夜よ
明日の木枯らし 攫うと聞けば





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