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季節(とき)戯(ざ)れて 秋の味覚は どこ行った
虫に負けじと 胃袋嘆く 



君恋えば 庭の鈴虫 その想い
切なきほどに 慕わんものを


虫虫に 哀しみ歌の 混ざる夜は
人肌恋いて ただ更けるのみ


虫の音に 愛しの君を 偲ぶなら
天の河原に 溢るる涙


この酒に 集いて鳴くか 鈴虫は


憎らしや 台風暴れる 雨名月


この夜よ 鹿や虫らの 恋歌に
君の面影 偲ぶやしばし 


宵闇に 虫らの恋の その数多


異常かな 里の秋とて 山は夏
我は愚かに 戯れ三昧


戯れに モミジてがえば 頬染めて
ぬしの胸にぞ 散りたきものと



闇の夜は 鹿のお尻の ぼんぼりに
足元照らし 就いて行きたや



暮れて尚 諦め切れぬ 法師蝉
君の寝間まで 届けと鳴かん


高らかに 虫らの歌う 雨上がり
還らぬ夜を 恋に勤しみ


選挙区も 知らぬ鶯 谷越えて
お願いされど 我に票無く


選挙区を 知らぬ候補の 訪ね来し
アナタはどこの 政界目指す


半そでに 寒さ覚えし この夜は
虫らの歌も 哀れを誘い


往く秋よ 木枯らし待つや 息殺し

息殺し 木枯らし潜む 往く秋よ


果ても無く 想いの遊ぶ 夜長かな


万象を つらつら思ふ 秋深し


秋や秋 森羅の闇に 我も在り




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