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音も無く 忍び寄るよな 小雨夜は
モミジと誰を 盗み逝くやら


病葉を 奪いて騒ぐ 小夜嵐
枝の想いら 知りて尚かや


ひと肌を 恋しと虫は 野辺に鳴き


星の野に 君恋しやと 呟けば
共に鳴かんと 虫らの誘う


一人夜は 我を慰む 庭の虫


秋風や 幾つの恋を 散らしたぞ    


恋うひとに 惨きものかや 秋の風
残り香さえも 攫うが如く



目に耳に 秋の風情の 楽しくて
十日の月は 帰りも遅や


虫の音に 包まれ眺む 天の川
君よ其処にも 虫は騒ぐや


魑魅魍魎 秋の夜長を 騒がせて


君恋えば 恥らうような 十三夜
絹に隠れて 顔も見せずや 


秋や秋 味覚何処と 山巡る
ペコちゃん顔が 其処かしこ哉


更ける夜は 涙に滲む 乙女月
君への想い 静に抱き


彼のひとが 眺め居るかよ 乙女月
絹に隠れて 恥らう様は







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