一刀に 浮世削れば 言の葉も

 舞いて散りしよ 我は寡黙に




六道は 迷いの道と 言ふなれば

  我憚らず 戯れ迷い




いつの間に 花を咲かせた 山桜

 我に相談 せずに散ったか




花びらと 水面で遊ぶ 朧月




ひと時を 星月愛でん 花愛でん

 今宵甘くも 知れぬ明日よ




何処とて 修羅の道ぞや この浮生

 恵比寿の下に 黒血が覗く




春ぞ春 騒げよ騒げ 田の蛙

 久しき故に 無礼講ぞや




咲く花に その理由聞くは 愚かなり

   恋うる乙女に 君よ聞くなや




恋うるなら ただ一途かな 乙女ゆえ

 神もうかつに 口出し出来ぬ




奥山よ しじまの中に ウグイスが

 ただ一つ鳴く この風情かな




我が里に 今年も来たか ホトトギス

 相も変わらず 欠けたか騒ぎ




欠けたかと 無粋な声で ホトトギス

 昼夜問わずに 騒ぎて候




田起こしに 賑わう里の 野良景色

 鷺まで集い 色を添えるか




葉桜や 山を温めて 赤く燃え




ホトトギス 夜に凍えて 声無きか

 それとも花見 楽しみ居るや




三日月は 朧の中を 静々と

如何な夢乗せ 何処に届けん

字余り




雨なれば 目覚めし鳥ら 静まりて

 如何に過ごすや 若葉の陰に








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