野辺に咲く ムクゲの花の その覚悟

  闌れる身なら 作法に散るや




淑やかに 頬染め咲ける ムクゲ花

  恋われし人の ただ羨まし




山中に フヨウの咲くと 近付けば

  愛らし乙女 ムクゲの花や




裏山に 伴侶求めて 鹿の鳴き

 確かな秋は ここにも来たか




山の夜 想いに更けりゃ アオバズク

  時折破る このしじま哉




秋や秋 モミジ染まるに 早すぎて

 愛でるは野辺の ムクゲの花よ




冬の陰 其処かしこにぞ 忍ばせて

   深まる秋の 夜風冷たく




秋の色 日毎に増して この夜は

 門出に歌う アオバズク哉




名月や そなたの余り 美しに

星ら何処に 隠れて泣くや





名月よ そなたと交わす 盃に

虫の音酌みて いざ酔い痴れん




酔うほどに 美しき哉 名月よ

 虫らでさえも 歌うを忘れ




名月と 競い輝け 乙女らよ

夢みる明日は 洋々と在り




飛ぶ雲に 奪われし哉 名月を




うす雲を オレンジ染めて 名月(つき)の意地




これ程に 輝くものか 名月は




名月は 彼方の山に 顔を出し

  我を誘うや 酒持ち来いと




里の夜や さすが名月 貫禄よ

 星ら恥いて 姿も見せず




静けさや 十六夜月の 装いは

  乙女に無けり 深き心よ




花萎み 鳥の塒に 風そよと

月の満ちるを 詠み人眺む




過ぎたるは 及ばざりしの 十六夜は

   一つ賢く 成りし月哉




夏の夜の 花火の如き この刹那

 浮生の夢に 散るも風情か




桜とて 秋に咲くなら コスモスよ

 時代に合えば 奇人も学者





神さまも お金で動く ご時世よ

お布施が無けりゃ ご利益も無し





黄昏が 近付きゃ里の 山が呼ぶ

 愛し恋しと ゴリラを呼ぶや




夜な夜なに 里山荒らす 魑魅魍魎

 早く逃げろや ゴリラが行くぞ









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