灼熱や 恐怖の夏は 今日も明け

庭の犬らは 木陰を探す




朝からの 恐ろし暑さ  セッカだけ

相も変らず 騒いで舞うや




涼求め 木立を行けば 丘の上

 善き風吹くや いざ眠らんぞ




我が里じゃ カラスでさえも 詠うぞや

 歌知らぬ身は さても哀れや




創作に かける情熱 通り雨

そなた如きが 冷ますは無理ぞ




詠うなら 詠うべきぞや 詠おうぞ

  詠う苦しみ 詠う喜び




恋心 歌に隠して 彼のひとに

 送りて待つや 返りの心




憎からぬ お方と興ず 歌遊び

秘めし想いを 三十一に込め




補陀洛に 旅立つ僧よ その共は

  舟幽霊ぞ 冥土の使い




宛ても無く 彷徨う旅に 見る星は

 里の夜空に 浮かびしものか




三十一に 心の内を 詠わんや

 白粉塗って 頬紅注して




オニユリは 誰に会釈を して咲くや




涼風に 虫らの歌も 一段と

 元気に聞こゆ 庭の隅々




涙腺が 緩めばおなか 空くそうな

 ボリボリ食べて シクシク泣くや?




更ける夜は 虫の天下よ 風さえも

 恋を包んで 優しく吹くや







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