クツワムシ ガチャガチャギギギ ロボットか

   油切れゆえ 錆付く音色




三日月舟に
君と乗るなら
浮雲さえも
紅染まる




今人を 酔わせて騒ぐ 笛太鼓

  操り居るは 大口オバケ




パンドラの 箱と同じか オバケ殿

  一つくらいは 役立ちそうか?




虫の音に 酔って居るのか 風車

   現抜かして 回るを忘れ 




虫の音も 少し寒きや この夜更け




静か夜は 鈴虫一つ 夢心地

この風情こそ 捨て難きもの




月無くば 虫らは誰の 為に鳴く




上見れば 夜空の彼方 果て知らず

  求めて止まず 人の欲望




虫の音に 包まれし里 ただ暗く

七日の月が 浮かべるだけや




キリギリス コオロギ鈴に クツワムシ

   里を包みて 夜通し騒ぐ




虫たちは 時惜しむのか 雨に鳴き




虫数多 騒ぎ居れども 鈴虫よ

そなたの唄は 我が身に沁みる




秋の夜長よ
そよ吹く風よ
虫の音嬉し
月の中




夜目白く 仙人草の 花々は

 律儀な程に 姿勢正して




鈴虫は 木枯らし恐れ 歌うとか

切なきものぞ そのメロディーは




哀愁の 想いを込めて 歌うのか

   甘く切なき 鈴虫の恋




雲さえも 避けて流るる 名月や




虫の音や 乾せる盃 尚重ね




これ程に 似あうものかや 月と虫




満月よ そなたくらいの 盃で

酒を酌むなら しとどに酔える




月よ月 その美しさ 誰の為




これ程に 我を酔わせる その美貌

 罪深きぞや 初秋の月よ




ノンビリと 回る風車よ その様よ

 長閑な里の 景色に溶けて




満月よ そんな所で 威張らずに

 降りて酌まぬか 我のこの酒




十六夜の 月のみごとと 見惚れれば

   雲の焼き餅 雨降らしおり




今朝もまだ 咲いてくれぬか 曼珠沙華

  そなたが咲けば お山が呼ぶに




あちこちで 鈴の音響く 夜長かな




今宵また 虫らに惨や 雨の降り







inserted by FC2 system