山百合の 白く浮かびて 上弦や




夕焼けに 恋でもしたか 風車

ほんのり染まり 回るも忘れ




ワンワンと 蝉の吠えるや 里の朝




この陽射し 雷雨の如く 我責める




煩さや 蝉に蝉鳴く 蝉嵐




灼熱は 庭の草まで 嗄らし照る




砂に燃え 星に囁く 夏の恋




夕焼けの 空に浮かぶは 金の舟

 君の夢乗せ どなたの元へ




静けさや 夕焼け雲に 染まる空

  金色舟に どの夢託す




美しく 涼しげなるや ハスの花




薄紅に 我を酔わすや ハスの花




釈尊は 何を想いて 蓮の上

まさか夕餉の レンコン想う?




蓮の花 良く見りゃ釈迦が 昼寝する




去る者よ そなたら既に 解かるるや

   世の柵の 非情の縄目




嫌うとて 生きて行かねば 成らぬ身よ

  ならば戯れ 尽くして逝かん




旅立ちは 数多の想い 駆け巡り

 言の葉一つ 雨に流るや




ネット海 恋の色さえ 七色に

 君を包んで 運んで来るや




老骨に ネットの波は 大きくて

乗りも出来ずや 眺めるだけよ




夜半の雨 激し降るなら 夏の恋

何処に連れて 去り行くものか




星たちの 受難始まる 上弦よ

やっと雲から 許されたのに




上弦に 想い遂げたか 月見草

 眺むる我に 微笑みてあり




今宵より 明日の夜ぞや 月見草

   恋も膨らむ 上弦の月












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