幾年も 見あげて哀し 天の川




涼風に 三日月舟は 帆をあげて

夕焼けの空 静かにゆくや




今日も又 焼け付く陽射し 既に在り

  蝉の謳歌に 我何をせん




神ならぬ この身が創る 我が世界

 渇き居るゆえ 満ちて足らざり




暑や暑 この上焦げりゃ 何に成る




夏の恋 熱き太陽 輝けば

 内に外にと 燃えて候




陽の下に 焦がせる恋や ネムの花

  今宵どなたの 腕に眠るぞ




太陽よ 異常気象 起こすほど

  一体誰に 焼餅やくぞ





陽に燃えて 星に甘きや 夏の恋




花心 我は知らぬや 恋音痴

 月に零せし その涙さえ




ミンミンと 耳に汗掻く 蝉の鳴き




雲白く 海は青きや 老いの目に

 夏は眩しく ただ眩しくて




火の鳥を 思わせ燃える 夕焼けよ

如何な絵の具で その色出せる




蜩の 大合唱や 山の道

幾ら歩けど 終わりは無けり




蜩の 大合唱よ 山の道

選挙人とて 逃げて帰るや




青き星 紅く染めんと 夕焼けは

 有らん限りの 紅を集めて




各々よ 西の国々 戦ぞや

 空まで紅く 燃えて候




ジャンジャンと 蝉に起こされ 我の朝




里の朝 早く起きろと 蝉時雨




庭の木で 寝坊責めるや 蝉時雨




蜩は 里の夕べを 独り占め




淑やかに 咲ける姿の ウバユリよ

  誰に恋して この奥山に




この夏は 蛍もとうに 去り消えて

 里の夕べは 蜩のみや




灼熱に 庭の虫らも 歌忘れ

ただ静かなり 里の夕べは




夕焼けに 遠慮するよな 三日月は

  紅無き所 独り浮かぶや










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