この雨に どこで鳴くぞや ホトトギス

  またも託卵 企み居るか




長雨や 想いも腐り 窓のそば




日々の中 幸せ浮かぶ 海泳ぐ

 気付かぬ我は 無駄に嘆きて




音も無く そぼ降る雨や 野良景色

 棚引く雲も そぞろに浮かび




里の野良 そぼ降る雨に うす陽射し

 セッカも藪に 騒ぎ出したや




地獄なら ついでの餅で エンマさん

 暇なら宿題 手伝ってやれ


夏休み最後の日の学生を詠いました。




学問が 全てじゃ無いよ 世の中は

  巷に尊師 溢れて居られ




その声は 久しぶりぞよ ホトトギス

 今までどこで 卵産んでた




エンピツを 持つ時間より バケツ持つ

  時間の長き 悪がき我は




悪ガキにゃ お尻のアザは 勲章よ

   数の多さで 位が上がる




世を拗ねて 生くるも善きや 世に縋り

 生くるも善きや 趣くままに




煙る山 終日眺め 梅雨縁




雨に濡れ 竹の風情や この心




夜来たと 蛙が鳴けば 虫たちも

 負けずに競う 里の野良かな




鈴虫や そなた鳴くには まだ早い

 季節忘れた 慌て者かよ




田の蛙 そなた音頭 取る成れば

 コオロギ鳴くや キリギリス鳴く




里の夜は 数多の虫の 饗宴よ

  我は盃 持ちて楽しみ




人間の 安らぎ満ちる この里よ

 人々何故に 求めぬものや




裏の山 鹿は伴侶を 求め鳴く

 が家の庭に 彼のひと居るか




鹿たちは 我家のそばで 恋の夜

 逢瀬の場所は 他に無いのか




田の中に 今宵も騒ぐ 蛙たち

 早く引っ越せ 稲刈りすぐぞ




梅雨明けりゃ すぐにも稲の 秋来る

 虫ら路頭に 迷いて鳴くや




身悶えて 誰を恋する ネジの花




君恋えば 乱るる心 ネジの花




恋うならば 君に焦がるる 夜の野は

 虫らの歌に 尚も募りて












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