浮生など 刹那の夢と 戯れば

 黎明善しや 黄昏も善し




遠き地に 赴きし人 待ち侘びりゃ

花の盛りと てふが舞うかな




アオバズク 久しく声も 無かったが

 恋の旅でも して居たのかや




クチナシよ 八重に咲くなら 真無く

 口説き文句も ただ空しいぞ




アオバズク 乙女の悩み 聞いてやれ

ホッホーホッホーと もっともらしく




美しさ 求むばかりの 現人

醜さ隠す その胸の内




心根の 美しあれと 日頃から

親に言われし 時も遥かに




マタタビに 酔いたる猫よ その様は

 優しさ追いし 現人かな




いつに無く 今宵の里は 静かなり

語りしものは アオバズクのみ




乙女ごよ 清らか成れば 尚の事

花の痛みの 知れれしものを




七月や 夏の嵐の 吹き荒れて

 トピは何処と 捜索の旅




恐れるな 人の心の 一端を

覗いたとても 何の害ある




トピ見つけ ホッと一息 飲むコーヒィ

 我の愛する アフリカンかな




今朝の里 行行子らの 騒ぐ声

里を起こして 我も起こして




雨の中 重そに揺れる ネムの花




雲低く セッカよ高く 昇るなや

雲の上行きゃ 迷子に成るぞ




足音に 驚き鳴くか ルリビタキ

何もせぬから 落ち着き鳴けや




新築の 家を盗られて 鳴くコガラ

さても哀しく 鳴けるものかや




面白や 幹を歩いて 下るなど

真似は出来ぬぞ ゴジュウカラよ




美しき 里の野山よ 谷川よ

宝石までが 水面に舞うや




カワセミよ 何故にそこまで 美しい

欲しく成るよな 宝石の如




そよそよと ネムの小枝を 揺らすなら

乙女の花は 甘き夢みん




美しく 咲けるや野辺の バラの花

奥ゆかしさが 地面這わすか








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