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梅雨の間ぞ 蛙騒げよ 鳥騒げ
虫ら居ぬのか 何故にしじまぞ


月無くば どなたを恋うや 月見草
そよ吹く風に 恥じらい揺れて 


涼風に 乙女の気配 運ばれて
明日は逢わんぞ 虫らの野辺で


この頃は 声も枯れたか 小綬鶏は
誘い文句も ぎこちないぞよ


暑や暑 なれど夏雲 まだ見えず
早く明けろや 蒸し風呂地獄


蒸し風呂が 一転シャワーに 早変わり
汗は流るも しとどに濡れて


昼までは 晴れていたのに この雨よ
ワシと乙女の 逢瀬妬むや


一日を 蝉ら惜しんで 日暮れかな


蝉よ蝉 日々に追われて その声か


燃える身に 誰を恋うるや 花カンナ


待つ宵や 涼風うけて 花支度


待つ宵を 眺めて君の 来るを待ち


昨日乙女 明日は嫁入り かさの月


儚さや これが納めと 蝉騒ぐ


泣く蝉よ 明日は冥土で 結ばるや


君の香を 乗せて来ぬかや 涼の風


戯れに この空泳ぎゃ 楽しきも
カラス怒って ゴリラつつくや


ヒッヒッヒッと 昇るセッカよ 気をつけろ
雲にぶつかりゃ タンコブ出来る


連れの無き 月が妬むや 星の恋


逢瀬夜は 蛍も祝う 天の川 












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