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蒸す照るに 皐月過ぎたと 暦見りゃ
まだも続くか 閏の皐月


悪ふざけ 過ぎりゃ蒸さるる 身の哀れ
釜茹で五右衛門 前例在りや


とんびさえ 飛んで居れぬと 岩山で
日陰探して ヨタヨタ歩く


政策や 民の暮らしは どぶの中
保身に忙し 政治屋本舗


胸先の 三寸先に 弄ぶ
我田引水 オラが世の春


久方に 天が抜けたか この雨よ
家出蛙も 戻って来るや


雨よ雨 蛙元気ぞ 里の夜


フクロウも 洞で夢みる 雨の夜
我は枕に 君を通わせ


雨よ雨 為すも為さぬも ただ降らば
そなた肴に 盃愛でん


雨音や 枕に通う 彼のひとの
温もり探す 夜の哀しや 


彼のひとを 夜毎に恋うる 切なさや 
夏の陽射しに 想い焦がしつ


寝坊にも 程があるぞや エンマたち
急ぎ恋せよ 夏が過ぎるぞ


夜鳴き鳥 田んぼの蛙 草の虫
てんでに騒ぐ 夕涼みかな


三日月は 何処と探す 梅雨の間や


儚げに 一夜契らん 恋蛍


その恋の 哀しと眺む 蛍かな


日を数え 恋火燃やせる 蛍かな


契らんと 命燃やして 蛍かな



蛍如 恋たきなれど 君の無く
舞える姿を 恨みに眺めん


我もまた 短き夜に 恋染めて
蛍の如く 契り消えんや






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