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座す我に 何を語らん 皐月闇


学ばんと 皐月の闇に 沈座すも
俗世染む身の ただ哀れとや


鶯や 恋に酔うのも 風情じゃが
留守に時鳥 卵置くぞよ


宵闇に 趣深や フクロウは


フクロウと アオバズクとの 競演に
蛙も鳥も 静まりて候


切なきは ひとり舞い居る 蛍ぞや
点す想いを 水面に映し


庭に鳴く 虫らに出すや 手配書き
エンマらの身に 何が起きたぞ


恋うる夜は 鶯さえも 甘く鳴き
蛍の舞いは 狂おしほどぞ


昼顔や 日暮れの別れ 切なくて
君の残り香 探せし我は


蝉の中 午睡の夢の 逢瀬かな


午睡では 鶯鳴かし 我の春


その甘く 理性蕩ける 午睡かな


田舎ゆえ 夏の逢瀬に 風情なし
甘く囁きゃ 薮蚊が騒ぐ


倫ならぬ 逢瀬に酔う身 諭さんと
薮蚊はつつき 河鹿は笑い


葦切りや ギョギョギョギョ言わず 葦を刈れ
さすれば我の 眠りは足りる 


暑や暑 雷雨の如き この汗よ


雲無くば 汗に溺るる 野良仕事
時折渡る 風の嬉しや


夏や夏 暑き余りに カラス焦げ
セッカ鶯 水の中とか


梅雨や梅雨 名前ばかりの 空の梅雨
おかげでワシは 汗に溺れし


空梅雨よ 隣の村の 田んぼでは
蛙逃げたぞ どうしてくれる









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