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佐保姫の 衣優しや 里の野辺



春暁や 雨音聞きて 二度寝かな



春雨や 野鳥静まり 雀(じゃく)騒ぐ
(春の雨は冷たくて、そんな中で騒ぐのは軒下の雀だけです)



雨よ雨 今朝は鳴かぬか ホトトギス



春の夜は 花に酔い痴れ 君に酔い



花よ花 春に凍えて 咲かせても
恋うる夢らの 悴むばかり



恋う我の 温もり奪い 春の雨



穀雨だと 小綬鶏騒ぐ 里の朝



民捨てて 踊れや踊れ 雲の上
雨を知らずば 酔い痴れるまま



雨の中 泥濘(ぬかるみ)知らず 踊るのは
笛や太鼓に 浮かれし人よ



苗の田は パッチワークの 野良景色



里の夜は 十日の月に 鳴く鳥よ
君に焦がるる 我の想いも



鶯よ 切なく呼ぶは 恋うひとか
月も独りぞ 我も一人ぞ



恋い焦がれ 十日の月を 見上げ鳴く
鳥の切なや 我の哀れや 



囀りが 野辺に満ち満ち 夏近し



囀りや 若葉に笑みし 道祖神



其処彼処 囀り楽し 恋の森









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