33

葉桜や 温もり添えて 里の山



里山は 春の紅葉よ 葉桜よ



長城を 遥かに越えて 黄砂かな



花の月

独り身が 見上げて寒や 花の月



はらはらと 零す風情や 桜月



夜桜や 月に愛でられ 密と散り



意地悪に 肌冷え憎や 花の月



十六夜や 散り行く桜(はな)の 一片に
想い託せど 乱るるばかり



散る桜(はな)よ 欠け行く月よ 十六夜の
しじまに零す 君への想い



居待ちとて 花に凍えて 待てる身は
里夜の闇に ただ沈み行き



臥し待ちは 窓辺に誘う 花間月
ものぐさ我は 眺めつ眠り



狂歌
春や春 永田の森の 鳥たちも
塒求めて 止まり木探す



清明を 待ち焦がれたと 虹渡る



軒下の 雀に明ける 我の朝
四季知らぬ気に 年中騒ぎ 



雨に明け 雨に暮るるや 菜種梅雨



雨の間よ 若葉の色に 目は覚めて



雨よ雨 苗と蛙の 桃源郷










inserted by FC2 system