3

不如帰 無礼に鳴けば 葦切が
野次を飛ばすぞ ここは国会か


喧騒を 麓に聞いて アオバズク
それも善しやと  したり鳴き哉


各々よ 無礼講とて 余りにも
節操無きは 酒の不味きぞ

 
今日もまた 雪花忙しや 里の空


君恋えば 灼熱に燃ゆ 想いかな


過疎連れて 鹿ら集いし 山の村
人の営み 草生す下に


戯れ戯れと 河鹿が歌う 山の夜


白百合の 君を抱けば 其処かしこ
鹿ら冷やかし 笛を吹くかな 


白百合に 惚れ直すかな 十日月


いそいそと 蛍集うや 宵の闇
今日のコンパで 嫁娶らんと


いそいそと 足の急かるる 逢瀬夜や
蛍に酔わせ 君口説かんと


老いの身は 故郷恋いて 不如帰


鶯や 夜鳴きの一つ 酒美味し


日暮れとて 悩みに舞うは 雪花殿
妻が多けりゃ 詮無き事か


その甘く 蛍招くや 栗の花


風評は どこ吹く風ぞ 栗の花
そなたの甘き 香り愛でんや


侘しさや 想い凍えし この雨よ
君の温もり 捜すも哀れ


五月雨や 侘る景色ぞ 我が想い


五月雨に 降り込められし 闇深く
迷える我は 求むも知らず


無知なるも 森羅万象 思わんや
皐月の闇に 迷いて尚も







inserted by FC2 system