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肌冷えは 君の温もり まさぐりて
無明長夜に のたうつ我よ


更けて尚 君の恋しや 秋の雨


更けて尚 人肌恋うる 秋の雨



秋雨や 無明長夜が 我を飲む


あの肌を 求めりゃ良いと 秋の雨


里山の 夜の風情は 鹿の恋
彼のひと呼べる 声の宜しや


雨風が ここぞと騒ぐ 野分かな


秋や秋 恋にまどろむ モミジらを
現に戻す 野分の騒ぐ


里の夜は 野分の去れる しじま哉


恋心 日増しに募る モミジ哉


君故に 日毎尚増す 恋心
苦しき我の 想いぞ知るや


モミジ葉よ そなたの恋の 情熱は
寡黙に燃えて その身焦がすや


月無くば 逢瀬に染まる モミジ哉


夜夜寒く 尚も燃えるや もみじ恋


陽だまりに 鬼の子眠り 我も寝る


恋恋は 恋に恋して 恋の原
恋恋眺め 恋恋歌う


木枯らしに 如何な夢見ん 鬼の子は


鬼の子に 香り届けて 椿花


鬼の子を 泣かせて憎や 軒雀


揺籃の 夢は楽しか 鬼の子よ








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