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焦がれるは 楓ぞ我ぞ 頬染めて


虫隠し 月も隠して 雨の降り 


雨音に おしゃべり草も 声無くし
不貞寝するかや 自棄酒飲むか


盃に 虫の音酌みて 君想ふ
密と燃やせし あの恋の日々


虫の音に 君ぞ偲ばれ 独り酒


盃に 哀し恋酌み 虫と呑む


鈴虫に 偲べる君よ 今何処
虚しさに酌む 酒に尋ねんや


いごっそう 名前ばかりに 沈む国
龍馬も嘆く 保守王国や


雨足の 強きに虫ら 声の無き
家持たぬ身は 如何に凌がんや


雨去らば 風に連れられ 秋の来し
言い訳しつつ 野山に里に


逢瀬夜にゃ 名月とても ただ邪魔で
雲を呼びたや 木陰探すや


名残蚊に 刺して刺されて 睦まじく
ほれたはれたは 痒いのなんの


名月よ もったいぶって 待たせたに
衣纏い来るは 無礼じゃないか


言の葉も 夜毎に染まり 君の秋


名月や 夜毎に秋の 深まれば
虫らの恋の 行方案じて


十六夜は 恋も欠けゆく 哀し月
想いの丈は 雨と零れて


虫たちも 歌を忘れし この雨に
モミジの恋は その頬染めて


この雨は 月を奪いて 虫奪い
甘き逢瀬の 君まで奪うや
               字余り


君の肌 尚も恋しや 秋の雨


恋一つ 冷ましつ降るや 秋の雨


秋雨や 温もり探す 無明長夜









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