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ジャンジャンと 想い急かすや 蝉時雨


足元に 想いを遂げし 蛍かな


土用とて 数多のウナギ 昇天す
それを喰らって 不殺生謳い



灼熱を 木陰で耐えて そのやがて
土用がゆけば 暦は秋ぞ


季(とき)早し 寒や寒やと 騒ぎしが
今は暑さに 声も無けりや


太陽を 回るは良けれど 地球さん
速度超過が 老いの日削る


蛙らも 騒ぎ忘れて 猛暑かな


近頃は 声も聞けぬが フクロウよ
巣穴でひとり タマゴ抱くかや


猛暑とて 暑さを知らぬ 納屋の奥
虫らの恋は 暗闇焦がし


盃が 愛でてくれろと 我を呼ぶ
お誘いなれば 虫らも連れて


ぐずぐすと 得体の知れぬ この天気
降るなら降れよ 照るなら照れや

 
雷鳴に ぐずぐず梅雨の 明けを知る


日食や 欠けた欠けたと 不如帰
雨雲越えて 見に行ったのかよ


咲き初めし 姥百合惨き 虫ば哉


虫の音も 想い澱めば 愛で難く
ただ徒に 耳朶と遊ぶや


酒酌めば 夜耳遠耳 フクロウの
我を諭さん 小言の聞こゆ 









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