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涼風に 逢瀬嬉しや 星の秋


地も逢瀬 空も逢瀬の 七夕や


満月に 足元照らす 蛍狩り


どこまでも セッカの昇る 月明かり
浮気者ゆえ 織姫口説き


彦星よ 昨夜の首尾は 如何にぞや
織姫殿は ご健勝だったか


不快指数 右肩上がる 梅雨かな


為せぬまま 日暮れも早き 梅雨の夕


雨音に 午睡の蜜の 尚甘く
夢路の君と 華胥に遊ばん


魔物らが 遠くのまちで 祭りとか
図鑑に載せる 新型居るや


暮れたとて 蛍に行けぬ 暴れ梅雨
この盃に 何を酌まんや


逢えぬゆえ 尚も恋しや 野辺の君
梅雨の後(のち)には しとどに酔おうぞ


この雨に 君は月待ち 咲き居るや
我は想いに 酒酌みてあり


彼のひとよ 雨の逢瀬も 善きものを
傘を理由に 素気(すげ)無き返事


更ける夜は 枕に歌う 蛙らが
揺り起こさんや 眠れる恋を 


お日様を 首尾よく送り 寛げば
ニッコリ笑う 逢瀬の月は


振られ夜は 天の逢瀬に 八つ当たり
缶を蹴飛ばし 邪魔をする哉


織姫が 天の川原で 桃拾い
彦星戻りゃ 夫婦喧嘩よ

この三十一文字で小話が一つ書けそうですね。
想像を膨らませて、自由に脚色してみてください。


涼風や 虫の音連れて 我の耳朶


君を待ち 涼風の中 ただ一輪
月見の花は 恥じらい揺れて







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