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鶯や　しじまに一つ　鳴くは善し
群れて騒ぐは　ただ煩きぞ



煩きは　憚り知らぬ　ホトトギス
行行子連れ　法要の中


田の蛙　せせらぎ蛙　山蛙
三者三様　風情に酔わせ


げにまこと　コオロギ鳴かぬ　不気味さよ
ぼやぼやするな　夏が過ぎるぞ


コオロギの　鳴かぬ侘しさ　癒さんと
蛍と酒に　酔い痴れるかな



鳴き声が　雨に消さるる　田の蛙
声を揃えて　ボリューム上げろ　


山の夜は　蛍に河鹿　アオバズク
星の滴か　白百合の花


梅雨の夜は　人肌恋いし　侘び住い


温もりを　何処に求むや　梅雨の中


君の足　止めて逢瀬の　雨宿り


嬉しきは　傘無き夜の　この逢瀬
降り込められし　時の甘くて


三日月の　舟は無きとも　あま(雨?天?)の夜
言の葉浮かべ　揺られて揺れて


雨の夜は　白百合哀れ　凍え咲き


この夜は　声も無きかな　アオバズク
洞に籠りて　星乞いするや


小夜更けて　雨に偲ぶは　彼のひとの
長き黒髪　肌の温もり


棚雲や　野良の其方此方　忘られて
所在無さげに　浮かぶしじまよ　


帰る家　忘れて野良に　棚雲は


君の無き　里夜は梅雨に　凍えんや


瞑想に　侘び寂び探す　皐月闇


我が座標　測りも出来ぬ　皐月闇